2022年3月9日水曜日

花粉アレルゲン回避の実際~アレルギー学会から その2

5年に1回のアレルギー学会専門医の更新しました。ダニ・スギ花粉に関しては根治を目指す免疫療法が小児でも保険診療でおこなわれていますが、シラカバ・ハンノキ・キク科・イネ科に関しては国内では認可されていないので、対症療法・薬物療法が中心になります。くしゃみ鼻水のスイッチが入る2週間前からの内服が有効とされています。

なお道立衛生研究所HP(http://www.iph.pref.hokkaido.jp/)によると昨年2021年は3月1週目に札幌でもハンノキ花粉飛んだとのことです。


花粉アレルゲン回避の実際

・花粉症の場合は、可能な限り曝露されないように以下の点を参考ににしてください(なんとなくわかっているような気がしていますが、学会誌にもここまできっちり記載されています)

①花粉飛散情報に注意する。

②飛散の多いときの外出を控える。外出時lこマスク、メガネを使う。

③表面が毛羽立った毛織物などの衣服の使用は避ける。

④帰宅時、衣服や髪をよく払ってから入室する。洗顔、洗眼、うがいをし、鼻をかむ。

⑤飛散の多いときは窓や戸を閉めておく。換気時は窓を小さくあけ、短時間にとどめる。

⑥飛散の多いときはふとんや洗濯物の外干しは避ける。

⑦掃除を励行する。特に窓際を念入りに掃除する。

なお、④に関してですが、鼻うがいで入り口をゆすぐのは有効ですが、右鼻から入れて左鼻から出すように洗うとアレルゲンをわざわざ奥に入れることになるので、逆効果です。

2022年3月2日水曜日

ダニアレルゲン回避の実際~アレルギー学会から その1

5年に1回のアレルギー学会専門医の更新しました。根治を目指す免疫療法もおこなっていますが、そのなかで、皆さんに有用な情報としてお届けします。

ダニアレルゲン回避の実際

アレルゲン免疫療法を施行する場合には、その効果を確実に得るために、十分なアレルゲン回避は必要です。ダニアレルゲンに可能な限り曝露されないように以下の点を参考にしてください。(厳しめで以前から言われていることではありますが、ここまできっちり記載されています)

①常に室内を清潔にし、ダニが繁殖しやすい環境(室内温度25℃以上、相対湿度60%以上)を避け、室内の清潔や通気を心がける。

②ダニが繁殖しやすい「じゅうたん」や「布製ソファ」などの使用は避け、フローリングの床が望ましい。

③床や畳に掃除機をかける際は、1平方メートルあたり1回20秒の時間をかけて毎日行うことが望ましい。

④寝具の管理は重要であり、寝具へ掃除機をかける際は、1平方メートルあたり1回20秒の時聞をかけて週1回以上行う。シーツや寝具はこまめに交換や洗濯することが望ましい。

⑤優れた品質の防ダニシーツの効果はある程度望めるが、殺ダニ剤の使用は推奨されない。

⑥年1回は室内の徹底した大掃除が必要である。

⑦室内ペット(イヌ、ネコ、ウサギ、げっ歯類など)飼育は、ペットアレルゲンの新規感作やダニアレルゲンの増加をもたらすため避ける。

なお、ダニは6-8月に増殖しますが、アレルゲンとなるのは
死骸やフンなのです。なので、殺虫剤的なものは意味がなく、掃除が重要ということですし、北海道の場合は冬は密閉空間で換気も悪いのでダニアレルギーの割合は全国的に上位なのです。人間のアカやフケ、食べこぼしなどをエサにするので、ベッドの上にお菓子の食べ残しがある状況は、ダニにとっては好都合なわけです。